老衰を宣告され看取りを決断するに至る過程と家族の苦悩 ~私の経験から伝えられるアドバイス~

人生について
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私たちの親世代(80代)は健康で自立した生活を送っている人もいれば、病気の関係で施設や病院又は自宅で介護を受けながら生活されている人もいます。

80代のうちの母も脳梗塞やイレウス、転倒による大腿骨の骨折など度重なる病気やケガにより歩行が困難となり入退院を繰り返しながら徐々に認知機能の低下が進み8月頃から食事が摂れない状態になっています。

母は看取りも行っている特養に入居しています。

看取りを行っている施設は特養だけでなく療養型の病院介護医療院など様々な種類があり病院や施設によっても方針が異なり、出来る処置も様々みたいです。
今回施設の医師から母は食事が摂れなくなり老衰の状態である事を告げられ今後どうしていくか家族で話し合い看取りをするなら同意書にサインするようにと言われました。

今の母の日常の様子や近い将来起こりうる体の変化についても説明を受けましたが、その時にいつ急に亡くなるか分からないし、同意書がないと亡くなった時に警察を呼んだり、遺体を解剖したりされるから、早くサインしてくれという焦らせるような、物凄い剣幕でまくし立てられました。正直、警察が来ても家族は困らないし、困るのは施設だけでしょとか思っちゃいました。

すごく失礼だなって。

この時聞いた母の容態についてですが、この時点では水分や食事は摂れる時もあれば進まない時もあり、水分や食事が摂れない時は3日に一度のペースで点滴を行っている。熱が出る事もあるとの事。
面会時の母は、車椅子に乗って少し傾きはあるものの座位を保て声を出したり、握手をしたり元気そうだったので、看取りの話をされても正直、困惑しましたが目を背けるわけにもいかない問題なので、兄妹で会議をする事にしました。

母は認知症が進んでいるため、本人の希望を直接聴くことはできません。
元気な時に聞いておくべきでした。

家族会議での内容
延命治療をしても苦しい時間が長引くだけだから胃瘻造設や高カロリーの点滴を行うなど積極的な 治療は望まない
熱が出たり痛みがある時は対処をしてもらいたい(本人は痛がりであった)
私たちが看取りと決めて命の期限を勝手に決めてしまうような感じになってしまうがそれでいいのか?
自宅に連れて帰り介護出来ないか?
病院に入院して治療すれば回復するのではないか?
こんな風に色々な可能性を考えました。

【結果】
施設で出来る事だけをしてもらい看取るという事になり、一旦このように兄弟間での話はまとまり、施設にも伝えました。

いざ同意書を記入する段階になり再度医師や看護師や相談員、ケアマネが揃う中、同意書にサインを求められその時に説明された内容に納得できずサインは見送り、熱が出ているとの事だったので病院に受診し入院させてもらう事になりました。

ここに至るまでの間、何度も施設側と家族の話し合いが行われ、積極的な治療は望まないが、具合が悪い時には、都度対処してくれるという話であったから、看取り方向と判断したのに、看取りに同意した後は、唸っていても何もしませんと言われたんです。

看取りとは、医師の指示に従って痛みを和らげる方法をとり、静かに自分らしい最期を迎えることを支援するものではないのかというのが、我々家族の認識であったため、唸っていても何もしませんって言われて納得できるわけがありません。

家族が考える看取りと施設側のいう看取りには随分ずれがあったようです。

どこの特養もそうなのか、ここの特養だけなのかはわかりませんが、これなら痛がっているのを見殺しにして餓死するのを待って事と同じじゃないですか? 人間の尊厳はどうなるの?って怒りがこみあげてきました。看取りという体裁の良い言葉を隠れ蓑にして酷すぎます。

もしかすると医師の言葉足らずで、私たちが誤解している部分もあるかもしれませんけど、家族としては怒り心頭でした。

今は施設を出て一般病棟に入院していますが、老衰であることには変わりないので、今後の行先をどうするのか、相談し療養型の病院に入ることが、家族が望む看取りの形に合っているのではと、入院先の医師からのアドバイスを受け、相談員が2件の療養型を探してくださり、お話を聞いてきたところなんです。

先ほど書いたのですが、同じ療養型病院といっても方針が異なっています(仮に、A病院B病院とします)
A病院:末梢血管からの点滴を行い、血管が出なくなった時は皮下注射を行い、苦痛の緩和を行いながら枯れるように最後を迎えるという看取りのスタイル。
B病院:一旦医療病棟に入院(3か月まで入院出来る)その後療養病棟に入院するためのいくつかの条件をクリアーし、医師の判断により療養病棟に移るかもしれない。医師の考えにもよるが家族が望んでいない、高カロリーの栄養を太い血管から入れたりする事があるかもしれない。
つまり、ある程度の延命処置を行う可能性があるという事。

介護問題を抱える世代なので、このような看取りという重い決断を迫られる時がきます。
その時に焦らないように心構えが必要です。

今私達が経験がアドバイスできる事をお伝えしておきます。

【アドバイス】
元気なうちに本人の意思を確認しておく
看取りを行っている施設や病院の方針やどこまでの処置が出来るのかに違いがある事を頭の片隅に入れておく事
看取りを決めたら実際に話を聞きに行って希望に沿っているかを確認する
納得のいかない同意書にはサインしない


最近ようやく落ち着いて、老衰である事実を受け入れられるようになりました。
静かに人間らしい尊厳を持って、最期を迎えられるように願っています。
私どもの経験談を書かせて頂きましたが、同じように老衰と診断された親を抱え悩んでいる方のお役にたてれば幸いです。
よろしかったら、他にも人生についてのサイトで私に気になったことなど書いていますので、訪問頂けますと嬉しいです!





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