消えゆく日本の伝統文化~お正月の風物詩「門松」について

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日本のお正月の風物詩といえば、門松ですね。
最近は自分も含めて日本の伝統を伝承していく事が滞ってしまっています。
子供が小さい時は、伝える義務があると思っていたので、玄関に小さい門松を飾り、鏡餅を飾り、おせちを用意したりとそれなりに親から教えられたお正月の過ごし方を継承していたものです。
自分が子供の頃は車にも正月になると締め飾りをつけているのが普通でしたが、今は皆無です。
こうやって伝統が途切れてしまうんだなと寂しい気持ちになります。
大型スーパーなどでは、大きい門松を飾ったりしていますが、大きい門松はお正月が終わったらどうするのでしょうか?!
今日は門松について掘り下げて行こうと思います。

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正月に門松を飾る意味

門松というのは、正月に訪れる歳神様を迎えるための目印として飾られます。
お正月には歳神様が家にやってきて、今年一年の健康や一家の繁栄をもたらしてくれると考えられています。
門松は玄関に左右に飾るのですが、向かって左側が雄松右が雌松です。

門松を飾る日に不向きな12月29日と31日

29日が不向きな理由は、数字の関係で「29」「苦しい、二重苦」などを連想させる数字ということから、門松を飾る日に好まれてません。
そして大晦日の12月31日は、元旦の前日ということもあり「一夜飾り」と言われ、お正月にやってくる歳神様に対して失礼だと考えられています。
一夜飾りは葬儀と通じるものがあるので、縁起が悪いのです。
「12月28日か30日」あたりがリミットだと覚えておきましょう。

2022年門松はいつまで飾るの?

片付ける日はいつなのかと言うと、1月7日の松の内というのが一般的のようです。
松の内というのは歳神様が滞在している期間のことを言うので、松の内が終われば門松も片付け始めるといいでしょう。
つまり、門松はいつからいつまで飾るかというのは、一般的には12月28日~1月7日の期間という事になります。
しめ縄もこのタイミングで外せば良いと思います。
門松を飾る時期は関東と関西によって違いがあります。
それは先程の松の内の日が関係してくるのですが、実はこの松の内が関東と関西で違うんですね。
関東は1月7日
関西は1月15日このように大きく差があります。

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門松の材料に竹を3本使う意味とは?

門松って材料に竹を3本使いますが、これにも意味があるのです。
竹の長さは7:5:3の比率で切りそろえます。これは「2で割れない」という縁起を担いでのものだそうです。(割り切れない数は縁起がいい)また門松の裾に荒縄を巻きますが、「下7回、中5回、上3回」という回数が決まっています。
・1番長い竹と7回巻いた荒縄(男性)
・1番短い竹と3回巻いた荒縄(女性)
・真ん中の竹と5回巻いた荒縄は「仲を取り持つ」という意味があります。

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門松に松、竹、梅を使う意味は?

:1年中葉を落とさない(永遠の命)ので、神様が宿る。
:風に強くまっすぐとに育ち、成長も早い(生命力・繁栄)
:1年で最初に花が咲き実がなる、紅白の花が咲き縁起が良い。
余談ですが、松竹梅って「松>竹>梅」みたいな優劣をつけられてますが、本来はこの3つは同等でどれが上とか下とかはありません。

門松の飾り方や並びの意味は?

門松の飾り方についてですが、置き方は内飾りと外飾りの2種類あります。
門松の2番目に高い竹の向きが、内側を向いているか外側を向いているかが、置き方のポイントでそれぞれに意味があるんですね。

門松の外飾り(出飾り・外こぼれ)

門松は3本の竹がついていますが、2番目に高い竹が、左右両方とも「外側」に向いている置き方が外飾りです。外飾りは「内にある災いを外に出す」という意味があって、一般家庭で子供が早く嫁ぐ、一人前になるようにと願いを込めた飾り方です。
病院では「患者が入ってこない、入院患者が早く退院できるように」と言う願いを込めて飾られる置き方だそうです。

門松の内飾り(迎え飾り・内こぼれ)

外飾りと反対で2番目に高い竹が、左右両方とも「内側」に向いている置き方が内飾りです。
内飾りは「家の中に福を呼び込む」という意味があって、お客様がたくさん来るようにと商売繁盛の意味で、よく商家で飾られる置き方です。
お嫁さんや子供が早く内に来る縁起の意味で置かれる場合もあります。

門松は1つだけでも大丈夫?

このように左右に1つずつ置きますが、門松は1つだけでも大丈夫なようです。
江戸時代以前はもともと門松は一つだけを庭に飾るスタイルだったようです。
左右どちらに置いても良いようです。

門松の竹の切り口について

門松には3本の竹が飾られますが、竹の上の部分に切り込みが入っているタイプと、そうでないタイプがあります。
斜めに切り口がある「そぎ」水平に切り口がある「寸胴(ずんどう)」この2種類があります。

門松の切り口:そぎ

斜めに切り口のある竹は「そぎ」と呼ばれ、そいだ切り方になっています。
この「そぎ」は徳川家康が流行させたと言われています。
家康が「三方ケ原の戦い」で武田信玄に敗れた時、次は必ず「武田(竹)」を切る!と言い門松の竹を斜めに切ったことから、関東では「そぎ」が流行しました。
他にも竹を斜めに切ると、切り口が笑っているように見えることから「笑う門には福来る」という意味で縁起が良いとも言われています。

門松の切り口:寸胴

本来の門松では寸胴での切り方がメインで、竹は節で真横に切った切り口でした。
「節がしっかり詰まっている」=「お金がたくさん詰まる」と言葉をかけて、金融機関などは寸胴の門松がよく使われるそうです。

門松を飾る意味や由来と最近の門松事情

門松の由来は中国の宋代に「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と言われる、松竹梅の題材になった絵が好まれたことにあります。
それが平安時代の日本に伝わって、おめでたいものとして「松竹梅」が伝わり、門松というものが誕生したと考えられています。
最近では門松ってあんまり見ないですよね。
門松はとても大きくて立派なものだから、マンションとかでは到底置くことは出来ませんし、準備も片付けも面倒なんです。
玄関の所にミニチュアサイズの門松なんかを置く家も多いですよね。

門松の処分は燃やすのか捨てるのか?

飾りの役目を終えた門松は処分しますが、その方法としては「どんど焼き」左義長(さぎちょう)」と呼ばれる炊き上げで燃やします。
どんど焼き・左義長(さぎちょう)とは、小正月の1月15日に行われる火祭りの行事で地方によって呼び方が変わります。
正月飾りの門松やしめ縄などで出迎えた歳神様を、焼いて炎と共に見送る意味があるわけなんですね。

どんど焼きの意味

門松も使い回しすればもったいなくないし、処分に困ることもありません。
しかし従来、炊き上げし神様をお見送りする事が大切なんです。
お正月には歳神様が天から降りてきて家に留まってくれていますがどんど焼きは、神様に天に戻っていただくのを見送る儀式なんですね。
だから、その年の正月飾りの門松やしめ飾りを燃やして、神様に感謝し天に送り返すことが必要という事になります。
炊き上げすることにはこのような意味がある訳なのです。
ただ、現在では考え方が合理的になり、使い回しした方が環境面でもエコだしお金ももったいなくないので何年も使い回す家もあるようです。
確かにその都度、お金をかけて準備する余裕も無い家庭が多いかもしれません
日本の文化の変化により合理的になったという事でしょうか?!

まとめ

今では門松もあまり見なくなりましたが、神様をお迎えするという意味があったことを知りました。
意味を知らない状態で子供に伝承するなんてナンセンスだったなと反省。
今年の正月には子供たちに意味を伝えようと思いました。
年齢に関係なく新しい知識を学ぶことが出来るものですね。
お正月準備で忙しいと思いますが、皆さんの子供たちに伝えて頂ければ幸いです。

よろしかったら、他にもトピックスのサイトで、私の気になったことなどを書いていますので、訪問頂けますと嬉しいです!

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